天日干し

とある会社員の観たもの・読んだもの日記。ネタバレには細心の注意を払っておりますので、気軽にどうぞ。

【本】オールジャンルの新体験。『新世界より(上・中・下)』(貴志祐介)

1000年後の日本を舞台に、”呪力”を使うようになった人間の秘密に迫っていく物語。

文庫本で1500ページ近くのボリュームですが、SF・ファンタジー・アクション・青春・ミステリー・ホラー等、あらゆる要素が詰め込まれ、テンポも非常によく、一気に読み進めてしまいました。

物語は、主人公の手記として、主人公の視点で、時系列に沿って展開されていきます。”呪力”を使えるようになった少年少女が、好奇心から、自分たちの生きる世界の秘密に触れ、大人になったころ、ある事件をきっかけに、その世界の秘密が明らかとなっていきます。”呪力”とは?どうしてそのような力を持ったのか?そして、”バケネズミ”とは何なのか?

困難に立ち向かう、また、戦闘・逃げるシーンも多く、手に汗握る場面も多いです。後半は怒涛の展開となり、前半の伏線も見事に回収され、とてつもないスケールで描かれています。あまりの世界観に、読み終わった後は、何も手につかないくらいです。

ボリュームが全く気にならないくらい、オールジャンル、様々な要素が詰め込まれており、非常に楽しめる作品でした。大満足です。

(アニメ化もされているようですが、アメリカのテレビドラマくらいのスケールで、ある程度の話数・予算を掛けて、実写化し、より多くの人に楽しんでほしいとも思いました。)